ネガフィルムで撮った写真やアルバムを押し入れにしまい込みすっかり見る機会が減ってしまった。大切な思い出のはずの写真もかさ張り、しまう場所に困るってるけど、「捨てるのもどうかなぁ~」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
最近は写真はスマホで撮影してデジタルで保存することができるので、データがなくなってしまうという心配はありますが、場所に困ることはすっかりなくなりましたが、20年前は写真といえばネガ写真が一般的で撮った写真はすべて写真屋さんで現像してとりあえず写真専用の棚にひとまとめに置いておくという人が多くいました。中くらいの段ボール1箱分ほどの量にはなりうまい整理の方法も分からずにそのままにしている家庭は多いものです。
今回はそんなネガ写真の整理方法やデジタル化などのアドバイスを行ってくれる写真整理アドバイザーの鎌滝 美紀(かまたき みのり)さんに写真整理アドバイザーさんにお願いするとどのようなことをしてくれるのか?を中心としたお仕事内容についてインタビューをしてきました。
目次
はじめに鎌滝さんのプロフィール
この記事でインタビューさせていただいた鎌滝 美紀さんのProfile
鎌滝 美紀(Minori Kamataki)
主な経歴
1988-2003 老舗食品メーカー勤務
2008-2019 国内生命保険会社勤務
2019年-現在 生前整理アドバイザーとして独立
終活はじめの第一歩として、思い出の写真を整理するということの重要性を実感、写真整理アドバイザーの資格を取得。
写真整理単体のご依頼だけでなくマンダラエンディングノートを活用した終活手順についてのアドバイザーとしても活動
資格:写真整理上級アドバイザー

本日はインタビュー形式にて写真整理について色々お話を伺えればと思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
写真整理アドバイザーとはどんな仕事?

写真整理アドバイザーの仕事は撮った写真を撮りっぱなしにせず「見返す」ためのお手伝いをすることなのですが、
写真って最近は本当に手軽に撮ることができるようになりましたが、撮りっぱなしにしてしまっている人って多いですよね?スマホのデータに入れてしまったままにしていて、データ容量が上限いっぱいになってしまってや、機種変更をするからということで慌てて整理して、誤ってデータが消えてしまったなんて経験をされた人も多いのではないでしょうか?
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機種変更した携帯にデータを入れっぱなしにしていてデータが開けなくなってしまって写真全部見れなくなってしまったことがあるんですよ。
そのため、バックアップなどを取っていなかったり、普段やらない操作してしまいデータ飛んでしまったという人は本当に多いですね。
そのため、その人の性格や機械に強いかなどに合わせてデータではなく、紙焼き写真として出力する方法をお勧めしたり、バックアップも兼ねてデジタルフォトフレームなどもおススメしています。
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デジタルフォトフレームとは?
1枚1枚 紙写真になっている場合にはデジタル化するためのスキャナーは割と安価で売っているため、ご自身でも対応は可能のですが、アルバムに張り付けてしまっている写真をデジタル保存するための専用の機器はかなり高価だったりするので個人での購入ななかなか難しいかと思います。
アルバムをお借りしてそういった機器を使ってデジタル化のお手伝いなんかも行っております。
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写真用スキャナー
写真整理アドバイザーというお仕事を始めるきっかけは?

鎌滝さんが写真整理アドバイザーというお仕事を知ったきっかけやご自身もやってみようと思われた経緯などを伺ってもよいでしょうか?
10年近く生命保険会社で働いていたのですが、その時に身内を立て続けに見送り、相続を経験することになりまして、それをきっかけに生前整理のアドバイザーとして独立したんです。終活のアドバイスを行っていく際に写真整理が果たす役割が非常に大きいことを実感しまして、写真整理アドバイザーの資格も取得したのがきっかけです。
写真整理だけでなく、写真を活用した「回想法」なども取り入れ終活サポートなどにも活かしているんです。
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回想法とは
回想法とは
昔の写真や音楽、思い出の品などを見たり、触れるなどの通じて、過去の経験や思い出を振り返ることで心の安定を図る健康法の1種で、精神的な安らぎなどを得ることを目的とした心理療法です。
写真整理アドバイザーという資格とは

また、鎌滝さんはこの資格でも「写真整理上級アドバイザー」という資格を持ちですが、資格取得ではどのような手順が必要となったのかお聞かせいただけますでしょうか?
写真整理アドバイザーという資格は一般社団法人「写真整理協会」が発行している民間資格となります。初級・上級・研修講師認定・訪問スペシャリスト認定 の4つの資格認定を発行しています。写真整理協会では認定資格の他、写真整理に関する講座や勉強会なども開催してたりもします。
写真整理を「仕事」として請け負える知識を身に付けるための場を提供しているのが「写真整理協会」です。現場サポートだけでなく講座開講、認定講師としてステップアップすれば、協会経由でのお仕事のご紹介などを受ける機会にも繋がります
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これから、写真整理を「お仕事」にしてみたいという人には心強い協会ですね!
ちなみに、資格取得に際しては「以前カメラマンをやっていた」などの事前準備としてのスキルや知識など必要なものはありますか?
特に事前準備や勉強などは必要ないと思います。写真をパソコンに取り込んだりなどの作業はあるのでパソコンについて詳しいに越したことはないですが、私自信はパソコンや機械などはかなり苦手なアナログ人間にはなるのですが、そんな私でも上級アドバイザーの資格を取得できています。
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どのような相談や依頼があるのか?

どのような方からのどういった依頼がくるのでしょうか?
私の場合は少し特殊かもしれませんが、終活コンサルなどをしていますので「終活を始められた方」「親が残したアルバムの整理に困っている子世代」などからのご相談が多いです。写真整理の仕事メインの相談としては「30~40代のスマホに画像がたまってしまって困っている」というお悩みは最近多いように感じます。
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具体的にはどのようなアドバイスをされていたりするのでしょうか?
紙焼き写真の場合には残す写真と残さない写真の選別を行います。さらに残す写真は、目的とどのように残すかのヒアリングです。
新しくアルバムにまとめたり、スキャンしてデジタル化するという方法もありますし、フォトブックに仕立てるなど残し方は様々ですので。また、残さない写真の処分方法も以前はインクが付いてしまっているので燃えるゴミという選択肢が主流でしたが、インクと紙を分離してリサイクルできる業者も出てきているのでリサイクル先の紹介なども行っています。
パソコンやスマホに保存している画像については画損の分類の仕方、先ほども紹介したようなデジタルフォトフレームなど見返すための媒体の紹介などをアドバイスしています。写真は撮って満足してしまう人が多いのですが、見返すためにあることをしっかりとお伝えしています。
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写真整理のお仕事の中で特に思い出にのこっていらっしゃるエピソードなどあればお聞かせ願えますでしょうか?
はい。沢山あるのですが、特に印象的だったのは、遺品整理業者さんがポツりと漏らされた「持つ主が亡くなったアルバムのほとんど100%はご家族は引き取らずに処分依頼される」というお話を聞いたことです。仕事とはいえ切ない思いに駆られると言っていました。
また、アルバムを手離したご家族も、気持ちが落ち着いたころにはその方を偲びたいと思っても手元に写真がないことを後悔される、そんな様子に接したことがあります。
その方の人生が写っている写真が、次の世代に引き継がれない現状を伝えていくことも使命だなと感じするようになりました。
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こんな人は写真整理がおすすめ

写真整理を依頼される人の特徴などありましたら教えてもらえますでしょうか?
はい。
- 写真のデジタル化を考えている人
- 大量の写真や画像をどう整理したらよいか悩んでいる人や放置状態が数年続いている人
- 自分でできることと専門家に依頼することを明確にしたい人
- 親の終活のきっかけが欲しい子世代
- 終活を考えているや高齢者施設への入居を機に身の回りを整理したい人
このような方には写真整理というサービスは相性がよいかと思います。
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写真整理について具体的なお話含め様々伺ってきましたが、「写真整理」を行うことのメリットとしてどのようなものがあるとお考えでしょうか?
大きく3つのメリットがあると思います。
1つ目としては「写真を見返すことで、人生の振り返るきっかけとなります。それは今までの自分の人生の肯定となり、自己肯定感の向上につながります。それにより心が落ち着き安定した気持ちを持って過ごすことへと繋がると考えています。
2つ目としては「自分史や家系図作成のきっかけになる」ことで先祖や祖先へと思いを持てると同時に次の世代へのバトンを意識できるようになると思います。
3つ目としては家族とのコミュニケーションが豊かになるきっかけ作りになると思います。過去の自分の話や忘れてしまっていた家族の思い出について話のきっかけになるのが写真整理という作業だと思っています。
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最後に

ここまで貴重なお話をありがとうございました。
最後にみなさんに向けてメッセージなどありましたらいただけますでしょうか?
私のアルバムには、たくさんの写真と共に父の添え書きが残されています。私にとっては有形の宝物であり、亡き父の愛情に触れる無形の宝物でもあります。と同時に、写真を通してもっと両親と色々な話をしておけばよかったと後悔の気持ちにもなります。
写真の持つチカラは無限。撮りためた写真を、いま一度見返すことで何かが動き出すと信じています。そのサポートを使命に、写真整理アドバイザーとしてこれからも関わらせて頂きたいと思っています。
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